光ることを忘れた太陽。

もう雅兄は頑張ったよ。


俺だって……頑張ったつもり。


だからもう、すれ違うのはやめにしよう。


どんなに転んでも、諦めないで前を見るんだ。



「……明日また、笑うために」



みんなで笑い合うために、助け合うために。


もっと知りたいと思う。


一緒にいたいと思う。


そう思うことは、ダメなことなのか?



俺はもう自分の心に嘘をつきたくない。


好きって気持ちを隠したくない。


だから、いつでも正面からまっすぐに向かってくる咲希が羨ましかった。


いつでも笑顔な咲希が、眩しかった。



咲希はずっと前から俺のことを照らしてくれる、“ 太陽 ” で。


欠けたらいけない大切な存在で。


絶対に離したくない。



雅兄と彼女さんのように、2度と会えなくなるなんて嫌だ。


この想いを伝えないまま、後悔して毎日を過ごしていくのは嫌だ。



だって、どうしようもなく好きだから。


咲希じゃなきゃ、ダメだから。
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