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いつもへらへら笑っててなに考えてるかわからない癖に、面倒見だけは妙にいい。
変わった奴。

「でもさ、俺には無理だもん。
沙智は完全に男友達。
美夜もわかってるから、今日、沙智と二人で飲みに行くっていっても『いってらっしゃーい』だし」

「美夜は私が達巳をとるなんて、ちっとも考えないもんねー」
 
……それはそれでむかつくけど。

美夜と私は大学時代、友達だった。
私が密かに思いを寄せていた達巳のことを美夜が好きになり、達巳も美夜のことが好きになって付き合い始め。
私はさらに自分の気持ちを隠した。

ジービジなので見た目はいいから、達巳を忘れたくて軽い気持ちで、寄ってきた男と付き合い、
振られるたびに達巳と二人で飲みに行って、達巳が好きだって自分の気持ちを再確認させられる。

……卒業して三年たつけど、ずっとその繰り返し。

達巳の方は美夜と順調に進んでて、結婚も秒読み段階に入ってる。

「あーあ。部屋、どうするかなー。
引っ越しするのも面倒くさいし」
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