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どんだけ飲んでも顔色を変えないから、酔ってるのかどうかわからない。

……でもきっと、達巳は酔ってる。
そうに違いない。
出ないとあんなこと、いうはずないし。

届いたビールジョッキを一気に空け、
さらに注文する。

……忘れるまで飲めばきっと、今日のことはなかったことになってるはずだ。
 

翌週の土曜日。

前日、会社の人間と終電まで飲んで帰り、今日はとことん寝るぞとベッドの中でうとうとしてた。

……あの日のことは、途中から記憶がない。

気が付いたら自分のベッドで眠ってた。
達巳が送ってくれて、飲み代もタクシー代も出してくれたらしい。

今度埋め合わせしないとなーとか考えてたら、チャイムが鳴った。

「……はい」

「よっ、沙智。今日からよろしく」
 
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