溺愛妖狐ひろいました
「遠い親戚って、関わりあるもんなんだな。俺、自分の親戚とか近いところしか知らないわ」
「あ、私もです。ミコトはほんとうに遠くて、あの、たまたま偶然知り合って、それから仲良くしてて」
「へぇ。じゃあ、親戚だからって仲よくなったわけじゃないんだ」
「まぁ、そうですね」
なんと説明したらいいんだろう。
そもそも親戚ではないし。
でも、親戚ってことにしておいた方が何かと都合がいい気もするし。
「じゃあ、男女の関係になる可能性も」
「え!?な、なに言ってるんですか!」
「遠いなら、もうほとんど他人だし。そうなってもおかしくないよな」
ニコニコとなんだか楽しそうな先輩。
私とミコトをそういうふうにしたいのかな。
「俺は、雨宮に幸せになってほしいんだよ。頑張ってるの見てるし。仕事だけじゃなくてプライベートでも幸せでいてほしいって思ってるよ」
「なんでそんな風に思ってくれるんですか」
「なんでかな?雨宮の事、健気で可愛いなって思ってるからかな」