溺愛妖狐ひろいました


それでもね。




「契約、するよ」

「いいのか?」




私は力強く頷く。
それでもね。





「後悔、したくないから」

「契約したとして、後悔することになるかもしれんぞ」

「それでも。やらない後悔より、ずっといいよ」




例え忘れ去られたとしても。
同じ妖でいられレば。

いつかは交差するかもしれないでしょう。



また再び出会えれば、なにかは始められるかも。




「あいつが刑期を耐え抜けない可能性だって」

「信じてるから。尊の事」




信じる事しかできない。
私には、そうすることしか。



少しでも、可能性にかけたい。
信じた結果裏切られたとしても。




私は信じてたんだってちゃんと示したい。




< 372 / 380 >

この作品をシェア

pagetop