アンダルテ ~王女と騎士の物語~

さあ、アデル様!
エレナは急に切り替えるように手を叩くと、アデルに満面の笑みを向けて言った。


「私は姫様にもぜひ、運命のお相手と結婚して欲しいのです!小さい頃から王宮での宴や社交界に出ていらしたロゼリア様と違って姫様はやっと今回がお披露目でございます。きっとロゼリア様に負けず劣らず沢山の殿方に声をかけられるでしょう…!」


「…買い被りすぎよ?」


「いいえ、姫様。長年おそばにいておりました故、私はずっと気にしておりました。姫様はご自身の魅力に疎すぎです!まだあどけなさが残ってはおりますが、この透き通るような銀髪も宝石のように煌めくブルーのお瞳も雪のように白いお肌も、このアンダルテのどこを探しても姫様より美しい方はいらっしゃいませんわ。」


真剣な様子で語るエレナにたじろぐと、アデルは顔を赤らめて俯いた。はつらつとしているいつもの様子と違い、姫が時々見せる不安そうな表情は儚げで、見た者の視線を掴んで離さない。侍女たちは、思わず手を止めてアデルに見惚れてしまった。



「そんなのわからないわ。…だって私一度も社交界に出たことがないのだもの。恋なんてしたことないし…。」



「そんなこと関係ありませんわ…!少し、いえ、…かなりお転婆ですが、姫様がお姿に劣らず心も大変美しい方なのは間違いないです。姫様を大切にしてくださる殿方にきっとお会いできますわ!」



そのためにも!エレナは少し声を張り上げたあと、アデルを正面から覗き込んで真剣な顔で、



「まずは、!
明日のエルガーべ王子殿下のお出迎え、ならびに結婚式、そして晩餐会。姫様の魅力を存分に発揮できるドレスを選びましょう!」
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