優しい彼
「え?あ?えっと?」

「だからー、王子だっけ?
見た目に欺されてるんだよ。
結局中身はバツイチのただのおっさんだろ。
同い年の俺だったら、絶対こんな風におまえを泣かせないから」

まっすぐに見つめる三峰くんの瞳。

……だけど。

「……うん。ありがとう。
でも……ごめん」

「そっか。
まあ、愚痴くらいならいつでも聞いてやる。
乗り換えたくなったらいつでもいえ」

「い、痛いよ!」
 
またもとのようにへらへらと笑うと、三峰くんはばしばしと私の背中を叩いた。
おかげで、微妙になっていた空気はどこかへ消し飛んだ。
 

足下がおぼつかなくなっていたので、送ってくれた。

アパートの前まででいいっていったんだけど、部屋まで送るって一緒にタクシーを降りる。
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