イジワルな彼とネガティブ彼女
翌朝、ワッフルとコーヒーをごちそうになり。


「じゃ、俺も一緒に出るから」


「まだ7時前ですし、本田さんはゆっくりしてけばいいんじゃないですか」


「いいんだ、会社でやりたいことあるし」


いつものように、スーツをビシッと着こなす本田さん。


何気なく襟元を見たら、私が選んだシャツとネクタイだった。


「俺に似合うだろ」


「そうですね」


「なんだよ、もう少し盛り上がってもいいだろ」


「とてもお似合いです」


満足そうに笑うと、不意に軽いキスがふってきた。


コーヒーの香りと、男性の香り。


「じゃ、行くか」


「はい、ごちそうさまでした」


「あ、俺も今日忘年会なんだけどさ、終わったら合流な」


「え、ちょっと、待ってください」


「俺は、一度決めたらやり通す主義なんだよ」


ふたりで玄関を出て、エレベーターに向かう。


「あの・・・私たちの関係って」


タイミング悪く、ポーンと優しい音でエレベーターが止まった。






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