イジワルな彼とネガティブ彼女
「高橋さん、今の人って・・・」


「あ、あそこのカフェにしよっか?」


動揺を悟られないように、必死でごまかした。


楓さん、私なにか嫌われるようなこと、した?


視線をそらすなんて、よっぽどだよね。


「高橋さん?」


「えっ?」


ふと気づいたら、レジでオーダーする順番がまわってきていた。


「あっ、すみません、えっと・・・Aセットをホットコーヒーでお願いします」


注文したセットをトレーで受け取り、先に席についていた足立くんの隣に座った。


「今日は、何時頃に終わりますかね」


「そうだなあ、18時には終わらせたいな」


「がんばります」


「午後イチは、ディスプレイの確認して、備品を出そっか」


「はい、わかりました」


あの会社のポスターが面白かったとか、照明が意外と明るくて良かったとか、仕事の話をしつつも頭の中は楓さんのことでいっぱいだった。



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