イジワルな彼とネガティブ彼女
「うん、明日ならいいけど、でも、ふたりだけじゃなんだから、美和も誘っていい?」


「河村さんですか?」


美和=河村さんは、私の同期で、総務をやってる。


美和が明日ヒマかどうかはわかんないけど、事情を説明して道連れになってもらおう。


「わかりました、店探しときます」


足立くんは、やっと引き下がってくれた。


タイミングよく美和が入ってきたから、給湯室に連れ去り説明した。


本田さんと知り合ったことから、足立くんに誘われたことから、展示会のことまで全部。


「莉子、もうそろそろ男子解禁してもいいんじゃないの?


うちらもうすぐ30歳だよ、このまま一生、男を知らずに年取るつもり?」


美和は、キスしかしたことない私の過去を知ってる唯一の友達だ。


私と違って、青春を謳歌してきた美和は、もちろん彼氏がいたこともあるし、今も営業部の彼と社内恋愛中だ。


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