イジワルな彼とネガティブ彼女
「莉子さん、お昼なにが食べたい?」


「そうだな・・・あっ、もしかして、翼くんランチも調べてくれたりしてる?」


「バレたか」


「じゃあ、お任せしようかな」


「オッケー、こっち」


私の左手を握って、翼くんは歩き出す。


「パンケーキなんだけど、甘いのも食事っぽいのもあるんだって」


「へえー、そうなんだ」


巷でパンケーキが流行っているのは何となく知ってはいるものの、一緒に行く相手のいない私は、まったく興味がなかった。


パンケーキのお店では少し並んで待ったけど、会話に困ることもなく。


パンケーキも美味しくて、翼くんはベーコンエッグやサラダが添えられた食事系を、私はフルーツと生クリームたっぷりのスイーツ系を頼み、仲良くシェアして食べた。


楽しかったし、美味しかったけど。


私は、甘いものがそんなに好きではなくて、でも女子として見られないと、っていう変な強迫観念があって、無理して食べた。





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