見えない僕と彼女の気持ち
「……誰?」

「……会社の同僚」

ぎゅっと彼女の手が僕の袖を掴む。
彼女とは全然違う、派手目な女性。
きっと、苦手な人なんだと思う。

「デート、じゃない。
とも……森内さんは彼氏とかじゃないし」

震えている彼女のその言葉に、胸がずきんと痛んだ。

「だよねー。
課長と不倫してるんだっけ、あんた」

見下すように笑う女に、目の前が真っ暗になった。

「まあ、あんたが誰と付き合おうと関係ないけど。
でもおとなしそうな顔してよくやるよねー。
……お邪魔したら悪いし。
じゃーねー」

ぎゃははは、下品な笑い声を立てて去って行く女に、彼女は強く唇を噛み締めている。

「……不倫、してるんだ」

「……」
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