見えない僕と彼女の気持ち
原因は大失恋したから。

 
三年付き合った彼女の誕生日。
僕は花束と指環を用意して、予約したレストランへと急いでいた。
いつも通り彼女と楽しく食事して、花束と指環を渡す。

「ごめんなさい」

「え?なんで?」

きっとこのときの僕の顔は、鳩が豆鉄砲を食ったような間抜けな顔だったに違いない。

「好きな人ができたの。
このあいだから云おうと思ってたんだけど、なかなか云い出せなくて。
別れましょう?私たち」

「は!?」

驚いて立ち上がった僕とは反対に、彼女は静かに微笑んでいた。

「あなたといるのは楽しかったわ。
でも、ごめんなさい。
じゃあ」
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