秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~



屋敷に戻ると、執事が大慌てで駆け寄ってきた。
頬を腫らせたコルネリアを見て、すぐさま手当てのできるものを、と侍女たちに指示をだす。


「すまないが彼女の手当てを頼む。クラウス王子殿下たちは応接室かな? 手当てが終わったら彼女も連れてきてくれないか?」

「かしこまりました。ではコルネリア様、こちらへ。ええと、誰か……」


執事が彼女を運ぶために衛兵を呼ぼうとするのをクラウスは止めた。


「いい。俺が部屋まで連れていくよ」

「ギュンター様、私歩けます。おろしてください」

「いいから。おとなしく抱かれていなさい」


結局ギュンターはコルネリアが最初に拘束された部屋まで彼女を抱き続け、壊れ物を扱うようにゆっくり大切そうにベッドに座らせた。
すぐに侍女がやってきて、彼女の手当てをし始める。


「では、俺は先に行ってるよ」


ギュンターはコルネリアに微笑みかけて部屋を出る。

そして応接室の前まで移動すると、泥がついてしまった服の裾をはたき、襟元を整えて深呼吸をした。


「さて。謎解きの始まりだ」


呟いて部屋に入る。

中にいる人間の視線が一気に集まったのを見て、まるで役者にでもなったようだと思った。

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