秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~
「ぎ、ギュンター様?」
「やはり、君がエリーゼ嬢を陥れるなどあるはずがない。コルネリア、俺は君を信じます」
真摯な彼の言葉は、とても嬉しかった。
気を抜いたらまた泣いてしまいそうで、コルネリアは胸の前で手を合わせながら爆発しそうな心臓を抑える。
「そして俺は、信じられる人と共に生きていたいのです。コルネリア、あなたと結婚したい」
続けられた言葉に、耳を疑った。
待って、どうして今そんな話。
っていうか、ギュンター様には公爵家からの縁談が来ているわけで、きっとベルンシュタイン伯爵だってその気のはずで……。
嬉しさはもちろんある。でも驚きのほうが大きかった。
伯爵家の中でも、ベレ家は格下の部類だ。父が野心でもって縁談を申し込んだのかもしれないが、自分が見初められることは絶対にないと思っていた。
だってベレ家では、彼の家になんの恩恵を与えることもできない。
「……あの」
「落ち着いたら返事を下さい」
ギュンターのさわやかな笑顔に、すぐさま頷いてしまいたかった。
だけど、いろいろな事情がコルネリアをせき止めた。
何も言えずにうつむいて黙っていたが、ギュンターは気にせず屋敷に向かって歩き続けた。