秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~
「なんだそうか。ではもう顔見知りというわけだな。お前も依存がないならば、早々に返事を書こう。伝令殿、ぜひ今日は一緒に夕食を取りましょう。ベレ領を見物し、ギュンター殿に街の様子も伝えていただきたい」
「もったいないお言葉。ありがとうございます」
「町を案内しましょう。準備をしてくるのでお待ちを」
そういうと、今度は大股で出ていき、晩餐の準備をするよう家じゅうの使用人に言って歩く。
伯爵が部屋を出ていくと、ルッツはほおと大きな息を漏らした。
「……豪快な方なんですねぇ、ベレ伯爵は。僕、ただの伝令なのに、こんなにもてなされては帰ってから怒られるかもしれません」
「申し訳ありません。商家上がりで、礼儀とか格式みたいなものには無頓着なんです」
「いえいえ、ありがたいですけど。これならギュンター様は自分で来たがったかもしれません。突然お邪魔して失礼してはいけないと、気にしておられましたから」
「まあ、そうなのですか?」
「ええ。コルネリア様をいただくために、気に入られようと必死です」
「まさか」
くすくす笑うと、「ホントですよー。ギュンター様があんなに余裕ないの初めて見ました」なんて愛嬌たっぷりに笑うので、コルネリアはすっかり安心してしまった。
「私、ギュンター様に何か贈り物をしたいわ。街をご案内している間に、何なら喜んでくださるか、一緒に考えてもらえないかしら」
「コルネリア様がくださるなら何でも喜ぶと思いますけどね。いいですよ。では参りましょうか」