秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~

しゅん、としてしまったコルネリアを見て、ルッツは途端に焦りだし、彼女を店の外に連れ出した。


「どうされました。コルネリア様」

「いえ。お気遣いさせてしまってすみません。こんなだから、私はだめなんだわ。ギュンター様にも呆れられるかもしれません」


ぽそり、そういった彼女を見て、ルッツは突然頭を下げた。


「コルネリア様、申し訳ありませんが、僕、今すぐ戻ります」

「え?」

「ギュンター様を呼んできます」

「ええっ」


何を言い出すのだ、とコルネリアは慌てる。ここからベルンシュタイン領は馬で飛ばしたって三時間以上かかる。往復したら日が暮れてしまうではないか。


「ギュンター様付きの従者は僕だけじゃありません。僕は従者の中では一番家柄も悪いですし。それでもこういう使いにはギュンター様は僕に頼むんです。なぜだと思います?」

「……それは、ルッツ様を信頼しているからではないの?」

「逆です。僕がギュンター様を信頼しているからですよ。僕は今、コルネリア様が何に落ち込んでいるのかも慰め方もわかりません。だからギュンター様にお願いすることにします。ギュンター様なら必ずやコルネリア様を笑顔にしてくださいます。なあに、馬を操ることにかけて僕の右に出るものはいませんよ。遅くとも明日の朝にはギュンター様を連れてまいりますから、お待ちください」

「え、そんなの駄目よ」


こんなことでギュンターを煩わせるわけにはいかない。
ルッツを引き留めようとした時だ。
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