秘密のラブロマンス~恋のから騒ぎは仮面舞踏会で~
*
ひとしきり泣いてパニック寸前だった心が落ち着いてきたとき、コルネリアは自分が恐れ多くもギュンターの服を濡らしていることに気付いた。
「す、すみません。私ったら」
「おや、まだいいのに」
ギュンターのほうは飄々としている。
抱擁のシーンを暴漢たちに見つめられているのも全く気にしていないようだ。
「まあでもそろそろ種明かしにいかないと、クラウスがしびれを切らしてしまうかな。コルネリア、ケガは?」
「ありませんわ。大丈夫です。歩けま……」
話している途中に足が宙に浮いた。ギュンターに抱き上げられて、コルネリアは目を丸くする。
「え、あ、あのっ」
「ケガがないのなら担架じゃなくてもいいでしょう」
「私重たいですし。ギュンター様に運んでもらうなんて滅相もない。歩けます」
「君を抱いていたいという俺の気持ちを汲んでください」
思ってもみないことを言われて、顔が真っ赤になった。
先ほど、脅しがてら殴られた頬がより赤く染まっていくようで、恥ずかしく、コルネリアは手で顔を覆った。
「頬は大丈夫ですか? 痛い?」
「大丈夫です。腫れは数日で引きますわ。それより、エリーゼはどうなりました?」
「ああ。エリーゼ嬢は無事ですよ。ケガの度合いも多分あなたのほうが酷い」
「そう、よかった」
ほっと息をついたとき、コルネリアの目尻に温かいものが触れた。それがギュンターの唇だと気付いたのは、数秒後のことだ。目に、弧を描いた薄い唇が焼き付いた。
ひとしきり泣いてパニック寸前だった心が落ち着いてきたとき、コルネリアは自分が恐れ多くもギュンターの服を濡らしていることに気付いた。
「す、すみません。私ったら」
「おや、まだいいのに」
ギュンターのほうは飄々としている。
抱擁のシーンを暴漢たちに見つめられているのも全く気にしていないようだ。
「まあでもそろそろ種明かしにいかないと、クラウスがしびれを切らしてしまうかな。コルネリア、ケガは?」
「ありませんわ。大丈夫です。歩けま……」
話している途中に足が宙に浮いた。ギュンターに抱き上げられて、コルネリアは目を丸くする。
「え、あ、あのっ」
「ケガがないのなら担架じゃなくてもいいでしょう」
「私重たいですし。ギュンター様に運んでもらうなんて滅相もない。歩けます」
「君を抱いていたいという俺の気持ちを汲んでください」
思ってもみないことを言われて、顔が真っ赤になった。
先ほど、脅しがてら殴られた頬がより赤く染まっていくようで、恥ずかしく、コルネリアは手で顔を覆った。
「頬は大丈夫ですか? 痛い?」
「大丈夫です。腫れは数日で引きますわ。それより、エリーゼはどうなりました?」
「ああ。エリーゼ嬢は無事ですよ。ケガの度合いも多分あなたのほうが酷い」
「そう、よかった」
ほっと息をついたとき、コルネリアの目尻に温かいものが触れた。それがギュンターの唇だと気付いたのは、数秒後のことだ。目に、弧を描いた薄い唇が焼き付いた。