不器用なコイビト。

キーッ扉が開くと、笑顔で私を迎える隆介の姿があった。




「どうぞ」

「うん」





そう言いながら、いつもの様に隆介の家に上がりこんだ。





「あっ、お昼まだなの?」

「あ…あぁ」





何でそう思ったかと言うと、リビングのテーブルの上に




まだ未開封のカップラーメン。




横に箸とコップがあったからだ。





今の時刻はもうすぐ2時を回ろうとしていた。






「遅いね、何やってたの?」

「あぁ、1時までバイトだったんだ」

「そうなんだ」





仕事の後って疲れてるんじゃないの?



…そういえば、何で今日誘ったのかな?






なんて疑問に思いながらも、私は隆介に向かってニコッと笑って言った。






「お昼…私が作ってあげようか」

「ー…え?」







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