この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。


「身につけるものがいいんじゃないかな、靴とかさ」

「靴……」

「前に会ったとき、靴が使い込まれてた気がしたから、新しいものを買ってプレゼントするのはどうだろう」


棗くん、そんな所まで見てたんだ……。

やっぱり、棗くんは鋭い。


それに、お父さんは工場で働いてるせいか、どうせ汚れるものだと、あまり靴にこだわってなかった。


休みの日くらい、お出かけ用の靴があってもいいよね。

これは、いい機会かもしれない。


「うん、見てみたい!」

「よし、それなら行こうか」


そう言った棗くんに、自然と手を繋がれる。

それにドキドキしながら、この手を振り払おうとは思わなかった。

だってこの手は、私を安心させてくれるから……。


棗くんと売り場にやってくると、一つのスニーカーに目を奪われる。


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