この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。



***


6月29日、ついにこの日がやってきた。

私は、棗くんと一緒に誕生日会の物品を持って私の家へとやってくる。

家出してから3週間くらいしか経ってないのに……。

なんだか、随分久しぶりに思える。


「お父さん、今は家にいないんだよね?」

「はい、今は工場へ行ってる時間なので、帰ってくるなら17時頃かと……」


今は13時、棗くんとこっそり家に侵入して、飾り付けをしたところにお父さんが帰ってくるという作戦だ。


――ガチャリ。

「ただいまー」

「お邪魔します」


緊張しながら家の中へと入ると案の定、お父さんはいなかった。

代わりに、散らかり果てたリビングが、目の前に広がっている。


「うわぁ……これは酷い」

「ハハッ、美羽が来る前の俺の家だな」


笑っている棗くんに、私は苦笑いを浮かべた。

確かに……でも、棗くんの家は物が少なかったから大丈夫だったけど、うちは……。


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