この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
「手……繋ぎっぱです」
「そうだね」
そうだねって……棗くん!?
棗くんは、繋いだままでもいいの??
驚いていると、棗くんはフッと笑う。
「迷子になったら困るだろう?もう、一秒だって一人ぼっちにはさせたくないんだ」
サラッと口説き文句みたいなことを言う棗くんに頬がじんわりと熱くなった。
「あの……ありがとうございます?」
「ハハッ、なんで疑問形?」
夕日が、私たちを茜色に染める。
夕日が、赤くてよかった……。
だって、私のこの赤い顔も隠してくれるから……。
繋いだ手に、棗くんの言葉にドギマギしてしまう私は、夕日だけでは少し不安で、そっと俯いたのだった。
***
駅前のショッピングモールへやって来ると、平日なのに若者達で賑わっていた。
「まずは、寝巻きとか着替え類が必要だよね」
「あ、それなら……」
私は、繋いだ棗くんの手を引いて、真琴ちゃんとよく行くレディースの服屋さんの方へ歩いて行く。