この空の彼方にいるきみへ、永遠の恋を捧ぐ。
不思議に思っていると、棗くんは私に、あの困ったような笑顔を見せた。
「あんまり、俺のことドキドキさせないでね?可愛いお姫様」
「へ?あ、あの……」
そう言って棗くんは、固まっている私を置いてレジへと向かう。
すると、さきほどのパジャマのお会計を済ませてしまった。
「棗くん、お金っ」
「俺、これでも少し前までバイトしてたんだ。だから、このお金は美羽のために使いたい」
――ドキンッ。
え、それはどうして……?
棗くんは、出会ったばかりの私に尽くしすぎだ。
「でも、そんなことしてもらう資格がありませんっ」
恋人でも、何でもない。
私は、ただの居候なのに……。
「大事な女の子に尽くすのに、資格が必要かな?」
「えっ……」
それって、私が大事なんじゃなくて、女の子全般に向けての言葉だよね……?
そうじゃなかったら、棗くんが私のことを好きみたいになっちゃうし……。
それは自意識過剰だろうと、私は首をブンブンと振った。
「それにしても、楽しそうだね、美羽」
そんな私に気づいているのか、いないのか……棗くんは話を変える。