ストロベリーパフェ/チョコレートパフェ
「……あなた、私が甘いもの食べないって知らないの?」
 
真っ赤になって俯き、包みを差し出した女生徒に愛理は冷たい視線を向けると、スカートを翻して悠然と去っていく。

……あーあ。
ご愁傷様。
特攻かました勇気は賞賛に値するけど。
無謀すぎ。

受け取ってもらえずに涙目になった女生徒は友人に、
「あんたが悪い」
と叱責混じりに励まされてた。


「……で?
雨の日の廊下の使用状況で、文化部と運動部が揉めてるんだっけ?」
 
バサバサバサッ。

「えっ、あ、すみません!」
 
書類を落とした二年の書記に愛理が冷たい視線を向ける。

……でもまあ、仕方ないだろう。
目の前ですらりとした美しい足を、見せつけるように組まれたんだ。
ぼーっとなるなという方が無理というものだ。

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