ビタービターチョコレート
ほんとはぎりぎりまで働きたかったんだけど、両親に反対された。

引っ越しや、その他いろいろ準備があるので、早めに辞めて欲しいといわれ、いろいろ折り合いをつけて今日になった。

「先生。
いままで、お世話になりました」

「うん。
こちらこそ、いままでありがとう」
 
そういって先生から手渡されたのは、こういう場に場違いな気がする、真っ赤なバラの花束。

「先生の研究、どっちも中途半端に放り出して、申し訳ないです」

「ああ、いいんだよ。気にしなくて」

「また、新しい助手の方と、続けてください」

「……いや、あの研究は蒼子ちゃんとだけ」

「え?」
 
……意外、だった。
他にもあんなことしている相手が、いるとばかり思っていたから。

「蒼子ちゃん。
……最後にキス、しようか」
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