ビタービターチョコレート
「……はい」
 
唇が重なって、離れる。
再び開いた目の前に見えたのは、少し淋しそうな先生の笑顔。

……そう、淋しそうな。

「ばいばい、蒼子ちゃん。
倖せになってね」
 
車に乗ると、涙が零れた。

……戻りたい戻りたい戻りたい戻りたい!
先生の傍に、戻りたい!

でも、ダメなんだってわかってた。

先生とした最後のキスは、いままでと全然違ってた。

好きだ、愛してるって気持ちが溢れてた。

でもそれは、これからもずっといえないことだってわかってる。

きっと、最後だから、私の気持ちを知ってたから、先生が伝えてくれたほんとの気持ち。

でも、私が戻って来るっていう、選択肢は先生の中にはないし、私もそうしちゃいけないんだってわかってる。
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