‐部恋。 Round 02‐


『さっきの人…、
 彩さんはシン兄のカノジョ。』

「それくらい分かってるよ…。」


『じゃあ何がそんなに
 悲しいわけ?』

勇介は抱きしめるのをやめて、
いつもの困った笑顔を見せた。


「彩さんっていつか話してた、
初恋相手の人じゃないの?」


勇介はポカンと私の顔を見て、
ブッと吹き出した。


『あーもう!
 お前ってどんだけ
 妄想すんだよ(笑)。』


「えぇぇ~??」


なに、違うのー?


『ていうか、彩さんより
 シン兄の方が俺のこと、
 よーく知ってるから。』

「シンさんが…?」


『お前、たぶん
 ビビるんだろうな…(笑)。』

「えっ、なに!
 そういうカンケイ!?」


『バカかお前は…(笑)』



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