恋物語

俺とアイツ side 優

俺・・・。沢村優は、周りから『華の8人組』なんて呼ばれているうちの1人。
中学1年生の頃、あいつらと同じクラスになって、ただ仲良くずっと一緒にいただけだった。
聖也、大輝、滉とは部活も一緒っていうこともあって、よく一緒にいた。
でも、どんな嫌なことがあっても、輪の中から抜け出そうとしなかったのは、その中にあいつがいたから。
木村桜。俺の9年間の片思いの相手。
あいつは本当に優しい。どんなやつにも笑顔で接してる。最初はただの気になるやつだった。
みんなの前では絶対に涙を見せない、強いやつ。でも、それはただの強がり。
本当は今にも壊れそうなくらい儚い。初めてこの子を守りたいそう思ったんだ。いつの間にか目が離せなくなってた。好きになってた。それが俺の初恋だった。
そして、ある時、その関係は少し変わる。小3のバレンタイン。俺はあいつに告られる。
「優、好きなの。優が好き。」
そう言いながらニコニコ笑うあいつはすっごく可愛くて。
今でも覚えてる。
でも、俺は突然のことですごく驚いて・・・。
返事がすぐにできなかった。
だから俺は、ホワイトデーの日言ったんだ。
「お前は特別だから」って。
その時、人気であいつが大好きだって言った、キャラクターのマスコットをあげたんだ。
でも、それだけ。そこから変わることのない俺らの距離。
けれど・・・。小さなキセキはそこに存在する。
『10年間同じクラス』
小学校の時からずっと一緒。
学年が上がるたびにあるクラス替え。
そして掲示されるクラス表。
俺はまず自分の名前を探し・・・そしてあいつの名前を探す。
少し上に毎年あるあいつの名前。
そして今年もあった、あいつの名前。
そして見るあいつの顔。
目があって、ニコッと笑ってくれるあいつ。
それだけでいいやって思ってしまう俺。
「ハァ・・・。」
どうか俺のこの想いがあいつに届きますよーに。
そして俺の願いはただ1つ。
あいつが俺の横でずっと笑っててくれますよーに。
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