大阪感情線
a.m.7:30
クローゼットを開けて姿勢正しく陳列するスーツたちを見回す。
やっぱり今日は細身のパンツスーツだろう。ご指名を受けたパンツスーツを好奇の眼差しで見つめるスーツたちをよそに、手早く袖を通し、メイクを施す。



a.m.7:52
今日はいつもより3分早い。残ったカプチーノを片手に、珍しくチャンネルを回してみた。

「…11位いて座。何をやってもうまくいかない日。今日は早く帰ってゆっくり体を休めましょう。そして、ごめんなさい!12位うお座の方。落とし物に要注意!後々面倒なことになるかも。」「でも、そんなうお座の方。今日のラッキーカラーは赤です。赤いアクセサリーを身につけると運気が好転するかもしれません。頑張って!」


え?なんて?
久しぶりの最下位に動揺を隠せない…

落ち着け!落ち着け、優奈!どうせ占いなんてほとほといい加減なものなんだから。
ましてや、いつもの占いじゃ上位だったはず!大丈夫だ。きっと大丈夫。




と自分に言い聞かせつつ
a.m.8:00
なんとなく赤いルビーのネックレスを首に掛ける。
単なるお守りだ。
別に占いなんて本気で信用したわけじゃない。きっと大丈夫。そう、これは単なるお守り…
いや、ただ単なるオシャレだ。



そういい聞かせて家を後にする。







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