その唇で甘いキスをして…
「ホントはオレ…

お前に絶対逢わないつもりだった。

顔見たら口説かない自信ねぇし、
幸せそうなお前とハルキさんを見ていられるほど余裕もなくて…

でも…久しぶりに会ったら…何か諦めがついたってゆうか…

幸せそうなお前を見て…良かったなって思えた。

ホントは後悔してた。

お前に浮気させたコトとか…

ハルキさんと引き離そうとしたコトとか…

そりゃお前と一回でもヤれたのは幸せだったけど…

それだけだった。

ごめんな…悪いと思ってる。

人のモノに手を出すのはやっぱり間違ってるな。

結局…あのままじゃ誰も幸せにならなかった。」

アタシは泣いてしまった。

カオルとはやっぱりいい友達で居たかった。

「アタシね、カオルが居なくなって…
ジョウさんも会いに来なくなって

誰もホントのこと相談できる友だちが居ないことに気がついたの。」

「オレはともかく…ジョウさんも友達かよ?」

「二人とも男として見たことあるから
友達とはたぶん言えないんだろうけど…
ものすごく大切な存在ってのは確かだと思う。

だからね、カオル…また側に居て欲しい。

もちろん男としてじゃないけど…

ワガママかも知れないけど…カオルがいないと…
やっぱり寂しいよ。」

「オレも…お前が居ないと寂しいし…つまんねぇ。

胸の空いた服見てスケベなコト考えたり…
笑った顔見て癒されたり…

離れてみたらそんなのが恋しくて…何度も帰りたくなった。

もちろん…男だから純粋な友達とは言えないけど…
お前のことやらしい目で見るときもあるだろうし。

でも…本気で迫ったりはもう…出来ないって思った。

だから…また前みたいに…かなりセクシーな男友達ってことで…いいかな?」

「かなりセクシーな男友達?」

「おう。」

アタシが吹き出して笑うとカオルも笑った。

そしてアタシたちは元の形に戻ってく。





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