その唇で甘いキスをして…
ハルさんとジョウが海から上がって
アタシたちはまたRed Choralに行った。

オーナーになったハルさんの友人というか
永遠のライバルである花邑さんが来ていた。

「おー、ハルキ!元気か?

それに元カノ!幸せにやってるか?」

「相変わらず軽いヤツだな。」

「おっ、お前ジョウだろ?デカくなったな?」

花邑さんは多分ジョウがジョウさんの子だって気がついたかもしれないけど…
何も言わなかった。

「しかも便利屋もいる。どんな組み合わせだよ?」

花邑さんとは色々あったけど…
時が経てばいいお兄さんて感じだった。

アタシとカオルの事もそうやって思える日が来るんだろうか?

「なんか一皮剥けた夫婦って感じになったな。

何かあったろ?修羅場的なヤバイこと。

そういうの乗り越えたって顔になった。」

花邑さんは色々鋭い。

接客業だからか人の観察を怠らない。

ハルさんは笑って流していた。

「いつ帰るんだ?」

「今日の夜には帰る。」

「だったら、夕食はウチで食ってけよ。
ご馳走するから。」

アタシたちは花邑さんが経営する
山の上のレストランに招待された。

昔、ここでバーの修行をしてたので
何だか懐かしかった。

いい夜だった。

料理は美味しくて…
ジョウが喜んで…
みんなが笑顔で…

ハルさんもカオルも…そしてアタシも…
いつの間にか昔みたいに笑っていた。
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