その唇で甘いキスをして…
アタシが元気になって店に戻ると
カオルは彼女を連れてきた。

仲のいいところを見せて
アタシの嫉妬心を煽るつもりだ。

アタシは気のないフリで
それでも気になってカオルを見る。

彼女がカオルの髪に触れて
胸が痛んだ。

触らないで…なんて言えないけど

触って欲しくない。

カオルもハルさんがアタシに触る時、
そう思うんだろう。

だから何も言えない。

アタシはそんな夜、ハルさんを欲しがる。

ハルさんは仕事で疲れてても
アタシの体を愛してくれる。

アタシは脚の指まで一本ずつ丁寧にハルさんに愛されて満ちていく。

それでもまだ足りなくてハルさんに途切れ途切れの声で言った。

「もっと…して。壊して…」

ハルさんはアタシの髪を撫で

「もっと強請ってみろ。」

と言った。

アタシはハルさんが悦ぶような言葉を口にして
ハルさんはアタシの中をハルさんでいっぱいにする。

カオルが入ってこれないように…

アタシは涙を流してハルさんを感じる。

ハルさんはアタシの涙を拭いながら

「そんなにいいか?」

と聞いた。

アタシは頷いてハルさんの背中に爪を立てる。






< 18 / 131 >

この作品をシェア

pagetop