その唇で甘いキスをして…
失恋の後遺症
しばらくするとカオルにまた不幸がやって来た。

リンちゃんの元旦那さんが
リンちゃんを連れ戻しに来た。

2人はカフェに来て
カオルはカウンターで2人が話すのを聞いていた。

「探したよ。

こんなもの置いて出て行くなんて…」

元旦那さんだったはずの人は
まだ旦那さんのままでいた。

2人の話を聞いた所リンちゃんは何も言わず
離婚届だけ置いて家を出たようだった。

アタシはリンちゃんが捨てられてなかったことに安心した。

リンちゃんみたいな優しくて素敵な人が
幸せになれないなんて有り得ないと思ってたから…

でもカオルの気持ちを思うと切なくなる。

カオルは何にも言わず
ただ黙ってコーヒーを飲んでた。

アタシと目が合うと微笑んで

「良かったな。」

って言った。

アタシはそんなカオルを見てるのが辛くて
泣きそうになった。

アタシにとってはリンちゃんの幸せより
カオルの幸せのが大切だった。

アタシは心の中で祈った。

(リンちゃんが旦那さんとヨリを戻しませんように…)

すごく矛盾してるけど心からそう思ってしまった。

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