その唇で甘いキスをして…

結局アタシとハルさんの赤ちゃんはこの世に生まれてくることが出来なかった。

アタシは自分を責めて
その辛さをカオルのせいにした。

カオルはそれを全て受け止めて
アタシの側にいた。

決して触れることなく…

ハルさんはきっとすごく落ち込んでたんだろうけど
いつもと変わらずに優しくアタシを包んでくれた。

アタシはハルさんに何度も謝った。

「お前じゃなくてオレのせいだよ。

ごめんな。」

とハルさんはアタシに謝る。

アタシはそれが辛くて

「カオルのせいだよ。」

とカオルの前でだけ泣いた。

カオルは何も言わずに側にいて
ただアタシの涙を拭った。

「お前は悪くない。

全部オレが悪い。」

カオルはそう言ってアタシを慰めるけど
アタシは自分が許せなくなって
薬を飲もうとした。

でもジョウを見たら
そんな事はとても出来なくて
アタシはジョウの為に生きようと思った。

ハルさんはアタシがカオルの前で泣いた事を知って

「どうしたいか言ってくれ。」

と聞いた。