その唇で甘いキスをして…
その夜、ハルさんはアタシのマンションに泊まって
朝は一緒に食事をとった。

ハルさんはスッカリお酒も抜けて
いつもの落ち着いた大人なハルさんに見えた。

「ジョウを迎えに行って学校に送ってから
お前を迎えに来るよ。」

「でも…」

「家へ帰ろう。

俺が悪かった。

カオルとの事は許すから。」

アタシはどうしていいかわからなかった。

「ハルさん…アタシはカオルと…」

「それ以上何も言うな。」

「でも…」

「言うなよ!」

ハルさんはアタシの口をキスで塞いだ。

さっきまで落ち着いた大人のハルさんが
また人が変わったように少し乱暴なハルさんになる。

暴力的なワケじゃないけど…
ハルさんは一度きちんと着たスーツを脱いで
アタシをもう一度抱こうとする。

「お前はオレだけを愛してればいい。」

アタシの脚を開き
強引に繋がると切なくて胸がいっぱいになってアタシの瞳から大粒の涙がポロポロこぼれ落ちる。

気持ち良さと申し訳無さが入り混じって
ワケがわからなくなった。

「愛してる…って言ってくれよ。」

今にも泣きそうなハルさんの顔を見て
アタシは本当のことを言う。

「ハルさん…ごめんね…いっぱい傷つけて…

でも…愛してるの…どうしようもないくらい…

すごく…愛してる…」

アタシの上で動くハルさんが愛しくて
アタシがその頰に触れると
ハルさんはアタシにもう一度キスしてきた。

息が苦しくなるくらい
貪りあうように激しくて…
そのうちアタシの頭は真っ白になった。

「ジュン…愛してる…」

ハルさんは果てた後、アタシに覆いかぶさって
そう言った。

アタシも言った。

「ハルさんが好き…愛してる…」

ハルさんに抱かれる度にそう思う。

それでもカオルを思うとどうしていいかわからなくなった。










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