クールな御曹司にさらわれました
「本当は一緒に……親父と3人でこうして出かけてみたかったのかもしれない。母親は今ではそこそこ元気だし、今更だから思うんだが、一度くらいゴネてみればよかったな」
できなかった我儘をたどる尊さんが、少しだけ寂しそうで、私はぐりんと首を巡らせた。
「言うだけ言ってみたらどうですか?」
「どういうことだ?」
「実現させるわけじゃなくて、『あの時、本当は一緒にピクニックしてみたかった』ってご両親に言うんです。変わり者の尊さんがそんな殊勝なことを言ったら、お父さんもお母さんも驚きますよ。きっと、嬉しいと思います」
変わり者って、さりげなく言っちゃったけど、尊さんは気にしていない様子でふむふむと頷いている。
「なるほど、リップサービス的だが、親子の信頼関係の維持には有効そうだ」
「また、そんな言い方してぇ」
「実際のピクニックはこうしてタマが連れてきてくれるしな」
満足げに言って、尊さんはおにぎりをぱくりと食べた。
風が気持ちよくて、日差しいっぱいの公園の午後。尊さんとピクニック。
うん、悪くはないかな。
「あ、尊さん、ご飯粒」
私がほっぺたからご飯粒をとってあげると、その右手を尊さんがしっかりと捕まえた。
そのまま、私の指先をぺろりと舐め、手のご飯粒を奪っていく。
そんな無邪気な仕草に、胸が苦しくなった。
指舐めないでくださいよ、もう。
できなかった我儘をたどる尊さんが、少しだけ寂しそうで、私はぐりんと首を巡らせた。
「言うだけ言ってみたらどうですか?」
「どういうことだ?」
「実現させるわけじゃなくて、『あの時、本当は一緒にピクニックしてみたかった』ってご両親に言うんです。変わり者の尊さんがそんな殊勝なことを言ったら、お父さんもお母さんも驚きますよ。きっと、嬉しいと思います」
変わり者って、さりげなく言っちゃったけど、尊さんは気にしていない様子でふむふむと頷いている。
「なるほど、リップサービス的だが、親子の信頼関係の維持には有効そうだ」
「また、そんな言い方してぇ」
「実際のピクニックはこうしてタマが連れてきてくれるしな」
満足げに言って、尊さんはおにぎりをぱくりと食べた。
風が気持ちよくて、日差しいっぱいの公園の午後。尊さんとピクニック。
うん、悪くはないかな。
「あ、尊さん、ご飯粒」
私がほっぺたからご飯粒をとってあげると、その右手を尊さんがしっかりと捕まえた。
そのまま、私の指先をぺろりと舐め、手のご飯粒を奪っていく。
そんな無邪気な仕草に、胸が苦しくなった。
指舐めないでくださいよ、もう。