クールな御曹司にさらわれました
うーん、まったく悪気がなさそうですが、この言い草。
加茂おじいちゃんのキャラがわかってきましたよ。

「加茂さん、一応言いますけどね。加茂さんも私の誘拐の共犯者なんですからね?わかってます?私が大変なの」

「わかっておりますよ。でも、尊様はお小さい頃からああいうご気性。私は慣れてございます。真中様も諦めて、あの方のやり方について行った方が楽しゅうございますよ。私は楽しい方が好きなもので、尊様についてから退屈する暇はありませんなぁ」

がははと陽気に笑いながらハンドルを切る加茂さん。
絶対、あの御曹司を甘やかしたのはこのおじいちゃんだ。
私は妙な確信を持ちつつ、新宿に向かう車窓を眺めた。




東中野に近い新進のビル群のひとつに尊さんの会社はあった。

「20階から最上階までが尊様のレオネットセキュリティ株式会社です。御台寺が迎えに来ているはずです」

加茂さんに言われ、地下駐車場へ運んでもらう。ビルの入り口には、すでにサラさんが待っているのが見えた。

「綺麗。妙さん、すごく綺麗だわ」

後部座席から降りれば、サラさんが頬を染めて褒めちぎってくれる。

「桃色が上品に着こなせるっているのは顔立ちや雰囲気に品があるからね」

「いえいえサラさん、私、品のある育ちしてないです」
< 60 / 193 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop