クールな御曹司にさらわれました
日曜の夕方、さすがに今日は帰って早めに眠ろうと職場を出た。
初夏を感じさせるような気温に、今日がうららかな陽気であったことを知りがっくりきてしまう。
私、ここ数日、天気もわからなければ、ご飯が美味しいとも思っていない。
やってやるって啖呵を切ったのは私だけと、ちょっとめげそう。

いやいや、頑張れ!ここで負けたら女がすたる。
悪魔御曹司にも負けて、陰険課長にまで負けてたまるか!

「妙さん」

ふと聞き知った声に顔をあげると、そこにはサラさんの姿があった。
あら??サラさんどうしたの?今日は日曜だよ?

「お仕事が大変だって尊社長から聞いて。心配で様子伺いに」

「えー!?サラさんお休みなのに!?そんなの断っていいと思う!尊さんの言うことをオフまで聞かなきゃいけないの!?」

私なんて、目じゃないくらい尊さんに滅私奉公中のサラさんに呆れ半分、同情半分だ。

「いいのよ、私が気になったから様子を見にくる係を買って出たの」

サラさんはチェリーピンクの唇をきゅっとあげる。いつもみたいな隙のないハイブランドスーツじゃなくて、リボンのついたカットソーとふんわりシフォンのスカートが可愛い。そして、やっぱりオフなんだなと申し訳なくなった。

「サラさん、よければお茶しません?」

「ほんと?嬉しい」

少し歩くと有名な商業ビルがいくつかある。一階のカフェに落ち着いて、ふたりでカフェオレを注文する。
私は追加で生クリームたっぷりのシフォンも頼んだ。
スタイル抜群のサラさんは、甘い物なんか注文してないぞー、見習いなさーい。とおもいつつ、我慢できなかった。
だって、脳使うと甘いもの欲しくなるしね。
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