クールな御曹司にさらわれました



そこから私は猛烈に忙しくなった。
最初2日はお稽古には間に合うように帰ったけれど、お稽古をしていては終わらない事がわかると、尊さんにお休みのお願いをした。
きちんと、仕事であると伝えたものの尊さんは仏頂面をより剣呑にしただけ。
たぶん、全然納得してない。

そりゃそうだ。彼は私に父親探しをさせたいんだもん。さらにはお金持ちの日本人妻として、教育したいんだもん。仕事なんか最低限にしろって感じだよね。

でもね、私にも社会的責任があるのよ。それが押し付けられたものでもさ!

今回は怒りと『見返してやる!』という気持ちが私を突き動かしている。
車田課長の意地悪は今に始まった事じゃないけど、今回ばかりは可愛げがない。だって、私が資料をまとめられらなかったら、困るのは部署全体、ひいては会社全体だ。
そんなこともわからずに目先部下を困らせたいがため仕事を振るだなんて。下っ端でも想像できる大きな局面がわからないなんて、器云々の問題じゃない。
私は車田課長をぎゃっふんぎゃっふん言わせてやるために仕事してんの!!

土日も出勤して、古いファイルまでひろってきてデータをまとめた。
とても終わらない。いいや、会議は金曜だ。やるしかない。
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