クールな御曹司にさらわれました
サラさんが尊さんのことで私に嫉妬してるなんて、絶対考え過ぎだ。
だって、こんなに綺麗で優しい人が尊さんを好きだって言ったら叶うに決まってるもん。私なんか敵にもならないもん。
ってサラさんの恋敵になりたいわけじゃないけどね。無理無理、尊さんに恋なんて。

「あのね、尊社長は妙さんを心配してるの」

「はぁ?」

心配なんてどう考えても結びつかないんだけど。

「社長なりにあなたに無茶を強いている自覚があるんだと思う。軟禁して父親探させて、花嫁修行させて。あの方は自分を絶対に曲げない人だけど、どこかで不安なのよ。妙さんが逃げてしまうことが」

「尊さんのことだから、私が逃げても何の支障もなく業務を遂行しそうですけど」

たぶん、私がいなければ、少々荒っぽい手口でも使って父の借金にカタをつけるんだろう。海外の嫁探し中友人も、適当なことを言って丸め込みそう。
あれ?よくよく考えたら、現在の尊さんの手法は穏やかではあるけれどあまり合理的ではない。私なんかに構わなくても彼なら上手く全部まわせるんじゃないの?

「こんな言い方は変だけれど、社長は人助けのつもりでもいるの」

「人助け?」

「お父様を調べた時、苦労して暮らしている妙さんの存在を知ってね。面倒見てやろうって気持ちがあったのは確かよ」

「面倒見てやろうで、軟禁&人身売買」

「そこはほら、あの人だから。頭にご友人の日本人の女子紹介してっていうのもあったんでしょう?教育して資産家に嫁がせてやれば安泰とでも思ったんじゃないかしら」

そうだとしたら、尊さんは本式のあんぽんたんだ。オールドスタイルに言わせてもらうけれどあんぽんたんだ。
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