赤に染まる指先
赤が好きだと、あなたは言った。
まるで血の色みたいな赤が好きだと。
だから新しいマニキュアを選ぶとき、その色にした。
キュートなピンクでも、クールなブルーでも、エレガントなバイオレットでもなくて、血の色みたいな赤を選んだ。
爪に重ねたその色を見て、あなたは似合ってると笑った。
私は嬉しかった。
なぜその色が好きなの、と聞いたら「生きてるって思えるから」なんて意味の分からないことを言われた。
だけど赤を塗り重ねた手をあなたと繋いだら、生きてるって心地がした。
馬鹿みたいって思った。
きっと私は馬鹿だった。
だけどそれでもいいと思えた。
馬鹿みたいって思いながらあなたのそばにいられたあの頃の私が、私も好きだから。
まるで血の色みたいな赤が好きだと。
だから新しいマニキュアを選ぶとき、その色にした。
キュートなピンクでも、クールなブルーでも、エレガントなバイオレットでもなくて、血の色みたいな赤を選んだ。
爪に重ねたその色を見て、あなたは似合ってると笑った。
私は嬉しかった。
なぜその色が好きなの、と聞いたら「生きてるって思えるから」なんて意味の分からないことを言われた。
だけど赤を塗り重ねた手をあなたと繋いだら、生きてるって心地がした。
馬鹿みたいって思った。
きっと私は馬鹿だった。
だけどそれでもいいと思えた。
馬鹿みたいって思いながらあなたのそばにいられたあの頃の私が、私も好きだから。