JUN-AI 〜身がわりラバーズ〜
「それと…
ロゼとモスは、連れてってもいい?」

本来は私へのプレゼントだったし。

チェストは響が使うだろうけど…
ちひろさんとの未来に、そのコたちは要らないだろう。

でも私にとってはかけがえのない、響との思い出の存在だから。


そこでようやく…
その人がコクンと小さく頷いた。



「っ、ありがとう…

じゃあ私、行くね?

酢豚は余ったらそこのタッパに入れて、その後の事はメモ書きしてるからそれを見て?」

最初から一緒に食べるつもりなんてなかった。


だって早く出て行かなきゃ、決心が鈍りそうだったし…

今にでも泣いてしまいそうだから。



「今まで本当にありがとう…

…っ、さよなら、響」


なのに返事は返って来ない。

代わりに、捨てられた仔犬のような…
寂しげで哀しげな瞳が向けられた。


そんな顔しないでっ…

別れたくないんじゃないかって期待してしまうし…
決心が崩れてしまうっ。



「…ねぇっ、さよならって言って?
言ってくれなきゃ進めないっ。

ちゃんと前に進みたいから、お願い言って?」


ー「ちゃんとさよならしてないし…
俺はまだ、彼氏のつもりなんだけど?」ー

そのセリフが頭に浮かぶ。
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