ifの奇跡
何だか、今までの自分が馬鹿らしくなった。

彼の変化に戸惑いながらも…ドキドキして期待をした自分に。

彼から見た私は一体どんな風に映っていただろう。

彼の中での私は、簡単に騙せる女…といったところなんだろうか?

私も、結婚を決めた最初の動機が動機なだけに…彼だけを責めることが出来ないのは分かっている。

だけど、好きでもない人と結婚したわけじゃない。

この3年間、彼を愛してなかったわけじゃない。

それでも私はこの先…一生我慢をしなければいけない?

ううん、もう無理かもしれない…。

まだ28歳で、子供もいない私たち。

やり直すには、まだ遅くない……そう思った。


信志さんは10時前に帰って来た。

何事もなかったように…。

私に知られているなんて…微塵も思っていない様子で。


「昨日は、独身の後輩の家で飲み直すことになってさ。終電も終わったし他の奴らと一緒に泊めてもらったんだよ。」

「…………」


返事をしない私を不審に思ったのか彼が私の名前を呼んだ…。
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