ifの奇跡
あんなにも友達でいる事に拘って友情を育ててきたつもりだったけど、育っていたのは私の恋心だった。

チュッと音を立てて吸い付くように離れた冬吾が上から私を見下ろしながら


「…やべぇ超かわいい」


そう言って、ぎゅーっと痛いくらいに私を抱きしめた。

うわ〜〜〜どうしよう…どうしよう…なに今のこの状態は………

想像以上に甘すぎて顔が絶対にリンゴのように赤くなってるだろうし。

それに心臓の音もあり得ないほどさっきからドキドキしてるし。


冬吾と出会ってから、この半年間ずっと友達として過ごした距離感が…一気に縮められてしまって…男になった冬吾がめっちゃ甘すぎて、もう私の頭はお酒の力もあってフワフワしてきた。

フワフワした頭で壁に掛けられた時計が視界に入ると、途端に我に返った。


……あれ?わたし今日これからどうするんだろう…ここで冬吾と2人きりで朝まで過ごす…の?


もう終電も行ってしまった時間を指している時計を眺めながら、ふとそんな事が頭を掠めた。

ここに来るときは、2人きりになるとは思っていなかったし…。

今まで、冬吾とはこんなシチュエーションになる事はなかったから…頭の中がちょっとしたプチパニックを起こしていた。


「…莉子どうした?」


気づくと、冬吾が真上から私を見下ろしていて私は冬吾を下から見上げている態勢……。
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