不思議な眼鏡くん


「このまま行けば、鈴木チーム、社長賞は確実だぞ」
芝塚課長が言った。

「ありがとうございます」
咲は穏やかな笑みで頭を下げた。

芝塚課長が納得するように頷いた。
「公私ともに充実してるのが、顔に表れてる。鈴木、綺麗になったな」

咲は少し照れて、それから「ありがとうございます」と再び頭をさげた。

三月。
新ブランドの売り上げは順調。出店も徐々に増えてきて、認知度も格段に上がった。

席に戻ると、樹が「いい知らせぽい顔だな」と言う。

「わかる? 社長賞確実だって言われた」
咲がそう言うと、ちづも「やったーっ」と手を叩いた。

「社長賞って、いくらくれるんだっけ?」
「西田くん、そんな話ばっかり」
咲は笑う。「賞をもらっても、営業部におごって還元するのが習わしよ」

「まじか」
樹ががっくりと肩を落とす。

「もしもらえたら、みんなでご飯食べにいきましょ」
「はあい」
ちづがおどけたように手をあげた。

< 130 / 165 >

この作品をシェア

pagetop