Spider
遠くに聞こえる、喧噪。
すぐ眼下には屋台の明かり。

公園にひとつだけある街灯の明かりの下、買ってきたものを黙々と食べる。
カラン、響くのはラムネのビー玉の音だけ。

……き、気まずい。

 ドーン。

そのうち始まった、花火。
ただ無言で見上げてた。

 ドーン、ドーン。

大きな音があたりに響く。

「……それって俺を、誘ってるんですか?」

不意に、耳にかかる吐息。
驚く間もなく露わになってる首筋に……ちゅっ。
柔らかい、感触。

「……!?」

なにが起こったのか理解できなくて、首筋を押さえて彼を見上げる。
レンズの向こうの瞳と目が合うと、にやりと笑われた。

「浴衣、とか。
しかもそんな、色っぽい奴」
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