Spider
道は次第に細くなり、街灯も少なくなっていく。

……もしかして、暗がりに連れ込んで、とか。
私、無防備過ぎやしない?
逃げるにしても、これじゃ走れないし……。

「着きました」

「は、はいっ!」

着いた先は……高台の、公園。
確かに海がよく見渡せる。
しかし、誰ひとりとしていなくて、ピンチなのは依然変わりないわけで。

「どうかしたんですか?」

「あ、いえ……」

怪訝そうに彼が私の顔を見る。

……そうと決まったわけじゃないし。
それに、そんなことしたら、これから先の仕事にも差し支えるわけで。
だから大丈夫、……だよね。

 
彼がひいてくれたシートの上に腰を下ろすと、彼も半人分だけ間をあけて座った。

シートを用意してくれていたことはプラス1ポイント。
< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop