放課後、渡り廊下。
もう部活中だったのか、弓道衣姿。

さっき、あんな話をしたからか、なんとなく顔が見れない。

俯き気味に歩いてたら……突然、私の目の前に腕が現れた。

「……なあ」
 
……怒ってるような宮下くんの声に、恐る恐る顔を上げると、不機嫌そうな顔で見下ろされてた。

「……な、なに?」

「おまえ、俺のことどう思ってるの?」
 
あたまの上から降ってくる、宮下くんの低い声。
片腕を完全に壁に突いて私の行く手を塞いでる。

……というかこれ、「壁ドン」って奴だよね?

「なあ、どう思ってるの?」
 
眼鏡の奥の切れ長な目が、私を見つめる。

きっとドキドキする展開なんだろうけど、宮下くんはなんだか怒ってて。
私は怖くて涙目で見上げることしかできなかった。

「……ごめん」
 
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