嫌い、嫌い、好き。
「ひどいな~。それより皐月」
適当にかわされた…。手強い。
「昨日はどうだったの??」
「…昨日?なんのこと?」
「言ってたじゃーん!!」
早季は興奮ぎみに叫びながらあたしの首回りに腕をまわすと、こそこそと耳元で囁きだした。
「北条に想い伝えるって約束したでしょ」
「してないし。そもそも北条に伝えることなんてなんもないし…」
「いわなきゃ後悔するよ」
いくらはぐらかしても話を戻す早季をみて、今早季には誤魔化しが効かないんだと思った。