嫌い、嫌い、好き。
「…いってもきっと後悔する。むしろそっちのほうが後悔が強いかもしれない」
「どうして?」
「…それによって今の関係を崩したくない。それなら友達のままでいたい」
「やらない後悔よりやった後悔がいいと思うけどな。──それに大丈夫だよ」
早季の顔や声色はやけに明るい。
こっちは落ち込んでるのに。
「皐月と北条はきっと大丈夫。そんなんで2人の関係が終わることはない」
早季の声が、目が、言葉が、笑顔が、やけに力強く感じる。
安心させられる。
「あんた達なら」
──大丈夫。
目頭が熱くなり、早季の表情はよくわからなかったけど早季の言葉はあたしのからだの芯に沁みていく気がした。